宮沢賢治の世界に挑戦『銀河鉄道の夜』を読んだ率直な感想。

少し前に『銀河鉄道の父』を紹介しましたが、その影響で宮沢賢治欲がふつふつと沸いておりました。

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さぞ面白いに違いない。

なんせ『銀河鉄道の父』の中で、賢治の妹トシは賢治の本をいたる場面で大絶賛してました。

うんにゃ。おとな向けより、童話のほうがいい。これまで聞かせてくれたお話し、みんなおもしぇがったもの。

『銀河鉄道の父』 賢治の妹・トシのセリフ

こりゃ面白くないわけがない。

つまり読むしかない。

私のなかの賢治欲が最大沸点に到達して、挑んだ『銀河鉄道の夜』をネタバレなしで感想を伝えていきまーす。

目次

面白かった!とは言いにくいのが正直なところ。

新潮文庫の『銀河鉄道の夜』には14の童話が収録されてるんですが、面白かったりよく分からなかったりでした(^_^;)

「よだかの星」「双子の星」「北守将軍と三人兄弟の医者」など親しみやすく、テンポもいいしめっちゃいい話〜。って楽しめたんですが、

いまいち世界観分からん。
今どんなシチュエーションなの?

とページを戻って四苦八苦しながら、「あぁなんとなくこういうことね!」と展開を読み取るのにだいぶ頭を使いました。正直いうと、よく分からないまま進んで、よく分からないまま終わる。って感じ。

どうやら私はイーハトーブには行けないようです笑
(岩手出身なのにかなしすぎる)

これは評価が分かれるんじゃないでしょうか…!これを面白いと感じない人も多くいるのでは?

と思い、Amazonのレビューを見たところ星4.2とそれなりの高評価。どうやら私の読書レベルが低いのが原因かもしれません…。

いや、でもすごい好きな童話もあったよ?

ちょっと待ってください。このままじゃ、私が宮沢賢治を読み解けないダメ男。みたいになっちゃうじゃないですか。

面白いと思った童話もありましたよ!

「双子の星」「北守将軍と三人兄弟の医者」「セロ弾きのゴーシュ」なんかも面白かったですが、私がいちばん好きなのは「よだかの星」

話が美しすぎやしませんか。子供向きじゃないですよ賢治さん。R18ってちゃんと書いておいてください。

嫌われ者のよだかの最後の生き様、かっちょええ。

なんかこの儚いストーリーに胸が熱くなりましたよい。

でで、ヨルシカさんの「靴と花火」って曲が大好きなんですけど、この「よだかの星」をモチーフに作られてるんです!このどことなく儚いけど、力強い感じ曲調が、すごい「よだかの星」っぽい。

「よだかの星」っぽいどこか儚く切ない旋律が好き。

逆にこの曲が好きな人は「よだかの星」は好きになれること間違いない。

他の童話もそうなんですけど、宮沢賢治は、清くて正しい自己犠牲的な登場人物に命を吹き込むのがうまいですよね。

イメージとしては「みにくいアヒルの子」に近い感じ。それなりに痛々しいというかイジメみたいなこともされるんですけど、最後は報われる。みたいな。

『銀河鉄道の父』を読めばわかるんですけど、やっぱ賢治が成功できず、苦しみや葛藤の中で華開いた人だからこそこういう話になったのかもしれませんね。

ちなみによだかってのは鳥のことです↓

これがよだかです。フクロウに似てるような?

私が苦手なだけよ!大物アーティストに愛されるんよ!!!

宇多田ヒカルさん。めっちゃ可愛すぎる。

ってわけで、私はあんまりこの童話集に没入できずに最後のページを迎えてしまいました。「ぜひ読んで!」「めっちゃ面白いよ!」とは言えませんね笑

が!しかし!BUT!

賢治の世界観が好きなアーティストは多いんですよね〜。

有名どころで言えば宇多田ヒカルさん。昔はプロフィールページに「宮沢賢治の詩が好き。世界観が大好き」みたいなことを書いていました。

有名な曲ではないけれどHEART STATIONに収録されている「テイク5」なんかも宮沢賢治の世界観を意識しているそうな。

2010年横浜アイーナで歌ってるテイク5。

ヨルシカさんも先程紹介した「靴の花火」のほかに「又三郎」っていう「風の又三郎」モチーフの曲があります。きっと賢治の世界観が好きなんでしょうな。

「風の又三郎」がモチーフのヨルシカさんの一曲。

そうかと思ってみれば、米津玄師さんが「カムパネルラ」という宮沢賢治の銀河鉄道の夜をテーマにした曲を作られてるらしい。賢治さんもこんなに世代を超えて愛されるとは思ってなかったんじゃ無いでしょうか。

『銀河鉄道の夜』をテーマにしたカムパネルラ

やっぱり賢治さん、あんたすごいよ。

宇多田ヒカルさん、ヨルシカさん、米津玄師さんの作品に影響を与えてるんですから、面白さを見出せなかった私に責任がある気もします。(彼らの感性に追いつきテェ)

あなたもこれを機に『銀河鉄道の夜』を試してみませんか?もしかしたらこの世界観に引き寄せられ、ハマってしまうかも。

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